県庁跡地について
2003年5月

 「NHKを移転させることを早急に検討すべき」とか
「辰巳用水を県庁跡地側に移設する」とか賑やかだ。

 大阪に出張したときNHK放送センターの入っている建物があった。
平日の昼だったけれど、見学者の出入りはそんなに多くはなかった。
人が行き交う空間を目指すならNHKじゃないだろう。
まして、高いアンテナを本気で金沢城址の横に立てるのか?

 数年前、広坂通り商店街の将来ビジョンを検討した。
その際に、辰巳用水が車道のまんなかにあって
せっかくのせせらぎを楽しめないのは問題、
そこで商店街側(市役所側)の車道を歩行者に開放して
新しく街路樹を今の車道に一列増やして
商店街から用水までをフルモール(歩行者専用空間)にすることで
兼六園、これからオープンする21世紀美術館から香林坊にかけて
快適に歩くことができる空間にしたらどうかと結論づけた。
県庁が移転してクルマの通行量が減ったのだし、
車道を半分にするという方向性があっていいはずだ。
交通混雑を緩和するために車道を拡幅しているのだから
その逆もあっていい。

 辰巳用水は旧県庁建物と同様、歴史的な資産だ。
それを十分な検討なしに簡単に移設してもいいものか。
一歩譲って移設するとしても、商店街側に移すべきだろう。
どうみてもこちら側の方が人の行き来は多い。

 最初のメッセージはいずれも県庁から出ている。
県庁が移転して人通りが少なくなったことへの配慮なんだろう。
だったら、県庁跡地だけ見ないで少し視野を広げて考えるべきだ。
そしてもう少し意見交換すべきだ。
こういう時こそ、住民が計画づくりに参画できるプロセスを試す良い機会ではないか。