■No.243 どっちが意固地
H23.12.20発


どっちが意固地

 毎年この時期になると、一年を振り返ってみるのでありますが、今年も胸が痛むことが度々ありました。そんな中、今年最後の定例議会が先日終わりましたが、今回も切実な県民の思いに、なんとか応えていただきたいとの思いで質問戦に立ちました。特に、谷本知事に対しては、少々厳しく意見を申し上げたのですが、真意は伝わったのでしょうか。大体の内容は以下の通りですが、皆さんはどうお考えになるでしょうか。
 最近、谷本知事の評価では「意固地」になり過ぎているのではとの声を聞きます。本当は良く判っているのにも拘らず、他人の意見にはすぐには耳を傾けず、なかなか次の展望が見出せていないというのです。
 いくつか例を挙げると、まず原発問題については、国の方針が定まらないからといって結論を出そうとしない。これでは志賀原発の周辺市町や原発事故を心配する人たちの不安は募るばかりです。また国が安全対策を終えるまでは、電力との協定の見直しもしないというのでは、独自の対策を進めようとする自治体には、誠に気の毒な話です。確かに、自治体と電力会社が結ぶ安全協定には、再稼動等の「拒否権」が含まれるとはいっても、住民の安全確保のためには当然考えられることなのですが、いつも知事は、「電力側が考えること」と言うばかりであり、ここにも積極的な姿勢は感じられません。さらに、「国の指針を目安に自治体が決めるのが本来の姿」である「EPZ」の設定をめぐっては、国の関係機関からさえ「出来ることから始めても構わない、自治体の地域防災計画の中で具体的に考えるべき」など地方の責任を協調する意見が出ています。にもかかわらず「国が正式な判断を出すまで県がどうするとは言えない。EPZは国が責任を持って明確な基準を示すべき」との知事の一点張りの発言は、いささか心もとないのです。
 記者会見でのやり取りの「HP」での動画配信は、石川県以外の都道府県では、すでに当然のように行われており、これも石川県だけが行っていない「定例記者会見」を併せて行うことこそが、開かれた県政に近づくのではと思います。知事が自慢する「ぶら下がり」の本来の意味は、「政治と国民との距離が近づいた」と評価された、時の首相がテレビカメラの前で記者団に話す取材方式なのであり、廊下の真ん中で記者と何回でも、ただやり取りをするというのとは違います。
 また、ドクターヘリ法の成立や「地域医療再生臨時特例交付金」の50億円の財政措置により「ドクターヘリ」の導入が全国で進み、とうとう何にもしていないのは、石川県を含む5県だけになってしまいました。確かに、自治体の維持運営費の負担は、半額の国庫補助があっても年間約1億円はかかるというのですが、一人でも多く県民の生命を守るための視点が必要であり、前例がある広域連合、たとえば福井、富山などとの取り組みも考えられるのではと思います。また、「地域医療再生臨時特例交付金」に加えて、導入促進事業国庫補助金、特別交付税補助もあるのでしょうから、当初の県負担はわずかに抑えることも可能と聞きます。防災ヘリとの併用には使用頻度を見ても、到底無理があるのは明らかなのですが、救急車よりも3倍も早く診療開始を可能にする、つまり、これは死亡率が3分の一になることを意味する「ドクターヘリ」が全国で急速に導入されるのは一体何故ですかと尋ねたくなります。いずれにしろ大災害の際には、全国のヘリコプターが結集して救援に当たるという役割があり、石川県だけが他のヘリに頼るばかりというわけにはいきません。中央病院の建て替えを控え、医療分野ばかりに予算をというような批判は「ドクターヘリ」に限っては絶対にあたらないと思いますが、せめて検討を始めていただきたいものです。
 しつこいようでありますが、子どもの医療費の助成もそうです。確かに国が制度を確立しないことが一番大きな問題です。しかし、一にも、二にも子どもたちや子育てに頑張る親御さんへの支援であり、いくら「他府県と比べて遜色ない」といっても、現実に多くの若いお母さんたちから子供の医療費がかかり過ぎて困るという声が大き伊野は間違いありません。平成22年度における石川県の子どもの医療費の助成額等が約3億9千万円というのは、全国では下から2番目の数字には間違いなく、知事がどんな例を上げて力説しても、これは変わりようのない事実です。また「現物給付方式」についての請願が県議会において全会一致で採択されていることは重い意味を持ちます。医療費助成を惜しむようでは、本当に子どもを大切にすることや子育て支援、少子化対策にはなりません。たとえ自己負担や所得制限が残っても、それはそれで仕方ないとは思いますが、福祉行政において一番重要なのは、県民の苦しみに対する想像力であり、現状を見ず数字ばかりを見てはなりません。国はやらない、知事の言う市や町に競わせるのは良くないというのでは、いったい誰を頼ればいいのでしょうか。
 以上色々申し上げましたが、どの問題においても、知事はなかなか方向転換はしない、つまり「意固地」になりすぎているのではと思えます。また強く進言できない幹部職員の皆さんにも責任があるのではと思いますが、これでは巷間言われているように、県の職員は県民の方ではなく、知事の顔色ばかりを見て仕事をしているといわれても仕方ありません。
 

(H23.12.20)