■No.235 制度は誰のため?
H23.10.13発


制度は誰のため?

 医療助成制度には医療機関の窓口で負担分を一旦払い、後から届出をし、還付を受ける「償還払い方式」と窓口で無料あるいは自己負担分だけを支払う「現物給付方式」という二通りがあります。
 「石川県乳幼児医療助成事業補助金交付要綱」には「県は乳幼児に係る医療費の一部を給付することにより、疾病の早期発見と治療を促進し、乳幼児の保健の向上と福祉の増進を図る」と明記されていますが、現実には窓口負担を心配して、医療機関にいくことをためらう親御さんも多いと聞きます。
 県は「現物給付にしたら医療費が増える」言うのですが、受診を我慢していた子どもたちが必要な診療を受けやすくなるのであり、子どもの健康を守る上では、ごく自然なことです。
 金沢市や能美市、小松市の議会では住民の切実な声が意見書として議決され、行政としても「補助金交付要綱」の改正実現を谷本知事に求めているのですが、もし現物給付にすれば、国民健康保険国庫負担金に減額措置(ペナルティ)が課せられ、県においても「現物給付を実施した市町を補助対象とはしない」との厳しい対応をとっています。しかし、なぜ県は補助金を打ち切るというのか、そのような脅かしともいえる話は全く納得ができない話であります。
 「都道府県・乳幼児医療費助成制度一覧」には、現物給付を行う35都府県には所得制限を設けたり、自己負担上減額を設けている所も含んでいますが、たとえ条件付の「現物給付方式」であっても「償還払い方式」よりは、本来の趣旨にかなっているのであり、安心して子どもを生み、育てる環境につながるのは間違いないのでありません。もちろん事務量や家計の医療費は軽減されるのですから、切り替えは、これからさらに進むと予想されますし、全国で実施されたアンケートでも、現物給付を望む声が、どれも9割前後あったと聞いています。
 いずれにしても、財政的に弱く少子化対策に手をこまねいている市や町には、積極的に医療費の助成支援を行なわないと、たとえば過疎に悩む能登地区のようなところでは、今の制度のままでは一層の少子化を招き、結果子どもはいなくなってしまいます。
 子育ての問題は直接的には両親や家族が担うものですが、社会全体で丁寧に行っていくべきものであるという点については、誰も異論をはさみませんが、誰が負担を負うというのでなく、国、県、市町村が「子育て支援」のため、応分の負担をしていくという姿勢が必要です。
 全国でも議論が続いていくのでしょうが、石川県議会にも、今年2月と6月に県医師会などから、現物給付方式を要望する請願が出され、特に6月議会では全会一致で可決されています。
 この問題のみならず、議会での全会一致での議決が無視されるのでは、最近、声高に叫ばれている「二元代表制」という言葉もむなしく聞こえるだけです。
 

(H23.10.13)