■No.165   H22.3.25発


 世界中が大交流時代を迎えて、人を呼び込む観光は、いよいよ地域経済活性化の鍵を握るようになったといわれていますが、日本の国では人口減少社会が到来して久しく、国内での観光振興は避けることのできない選択肢と思われます。
 特に、わが国では外国人観光客の比率が極端に低い中、これからはなんといっても年間に約4,500万人が海外に出かけるといわれる中国への働きかけが重要です。
 昨年11月には小松空港国際化推進議連の一員として上海、南京、香港を訪れてきましたが、中国・香港へのセールスでは石川県を含んだ「北陸」「中部」といった形での地域丸ごとの情報を相手に伝えていかないと、知名度を上げる程の強いインパクトにはなかなか繋がらないと感じました。
 現在、中国では個人観光ビザ解禁など自由化が次第に進んでいるのは、ご承知の通りですが、早急にあらゆる具体的な中国からの観光誘客の取り組みを実行すべきであり、出すほうの中国以上に日本でも入国条件については緩くすべきと感じます。
 さて、日本国内でも、人口減少で落ち込む地域の購買力を底上げするためには、交流人口の増加は不可欠であるといわれ、これからは人が多く訪れる地域は発展し、そうでない地域は衰退するばかりと予想されます。
 だからこそ、現在全国各地が厳しい都市間競争に打ち勝つべく知恵と工夫を凝らし頑張っているのではと思います。
 すでに、石川県では、観光行政の指針である「新ほっと石川観光プラン」により積極的な事業展開が進められてきた中、航空機需要については不透明な部分もありますが、首都圏からの誘客の大きなチャンスである5年後の北陸新幹線開業を見据え、国や他県に先立ち、観光の選任部局設置し、積極的に取り組んでいます。
 しかし、首都圏における北陸・石川の認知度はまだまだ低く、あるいは知ってても旅へ向かわせるほどには至っていないのが現実であり、これは関西・中京圏においてもしかりです。
 ターゲットを絞った誘客はもちろんですが、さらに多くの方々に北陸・石川へ来ていただくためには、特にJR各社などとの連携を進め、認知度のアップや各種イベントなど積極的な施策を展開し、北陸新幹線金沢開業に向けて北陸・石川への旅情をかきたてるような取り組みが必要と思われます。
 また、新幹線の開業と並んで石川県での最も大きな特徴的なことは、多くの質の高い温泉地の存在であり、その支援策は他の業種とひとくくりにせずに別扱いにしてでも、代表的かつ地域を支える基幹産業に育て上げようという気概を持つことです。
 そうでなければ、石川県の温泉郷はふたを開けてみたら、皆県外資本であったと言うことになりかねないのではと思います。
 片山津や粟津温泉の格安旅館での最近の盛況振りを見ていても、これは心配になってくるばかりであります。
 また、観光庁では、これから全国の市町村の外国人旅行の受け入れ態勢を格付けし改善を促していく取り組みを始めるという検討をしていると聞きます。
 したがって、益々県内の市町においての受け入れ態勢の底上げと、県民一人一人のもてなし意識の向上への具体的な取り組みが必要になって来ると思いますが、それには、まず第一に外国人旅行者のストレスを減らす工夫など、お金をかけずに、今すぐ出来る地道な施策の積み重ねが大切であると思います。
 さて、日本では総じて一回あたりの観光宿泊数が少ないのですが、これは石川県の観光が抱える課題でもあり、その主な理由は国内旅行では、ゆとりある連泊や長期滞在が極めて少ないことです。
 これまで、国の観光施策により3連休を増やすなど休暇を取りやすくするといった制度面の対応は、それなりに進んできたのは周知のことですが、今後は地域間の連携と観光業界が連泊増加のために、魅力あるプログラムの充実が大切です。
 例えば、隣県との、あるいは北陸地区や中部圏と連携した枠組みでの誘客対策が不可欠かと思いますし、「観光統計」を活用することも大事です。
 もし、観光客増加が一過性の動きに終わってしまえば、観光は地域を発展させる力を失なってしまうのは当たり前のことですが、持続性を保つためには、当然、観光客に良い思い出を持って帰ってもらうことが不可欠であり、その印象が評判を呼んで新たなお客やリピーターになって再びその地に訪れるでしょう。
 2007年1月から国土交通省では「宿泊旅行統計調査」を公表しているのですが、これは全国初の47都道府県共通の基準による宿泊旅行統計であり、まさに「観光の通信簿」です。
 そこには、それぞれの地域の強みと弱みを考える手掛かりが豊富にあり、地域の観光関係者はこの「観光統計」を参考にしながら現在の施策を検証し、もし効果が上がっていないと判断した場合は行政に対し問題点の指摘と提言をすればよいのであります。
 したがって、この統計の活用度こそが地域の観光の将来を決めるといわれる所以なのです。
 いずれにしろ「観光は地域なり」という言葉が地域に根付き、観光が地域活性化の牽引力となることを、特に石川県では期待していきたいと思います。

(H22.3.25)