■No.147   H21.9.20発


 日本が観光立国を目指すため、国では昨年10月に観光庁を発足させたのは皆さんもすでにご存知だと思います。昨年、麻生首相も総理就任早々の所信表明の中でその役割を「地域再生」 と明言したように、観光振興を通して今、疲弊している地方をこれから活性化させていこうというのです。
 「従来の枠にとらわれるな」との発足時の経緯もあり、国を挙げてのこの取り組みには大いに希望が感じられるのですが、観光立県を標榜する我が石川県にとっても追風となる施策です。
 さて、訪日外国人旅行者の数を一昨年の834万人から、2020年には2000万人に増やすという目標を実現する大きなカギは、地方の魅力アップであるといわれています。
 つまり、外国人旅行者の受け皿となる地方の努力が今後、益々重要になってくるのですが、幸いにも北陸新幹線が2014年末に金沢まで開業の予定です。 そして、石川県では外国人の年間宿泊者数を50万人に増やす目標を掲げています。しかし、観光庁発足によって全国における地域間の誘客競争は一段と激しくなることは予想されるのであり、 外国人光客が肌で地域の魅力を感じることができ、取り組みや利便性を高めるなど、どの県にも負けない受け入れ体制を石川県では整えなければならないわけです。
 そこで、いくつかその方法を考えてみました。まず、とにもかくにも外国人旅行者のストレスを減らす工夫、たとえば、県内のあちこちに気軽に立ち寄れるような案内所があったり、 外国語が堪能な県民の方に目印をつけてもらうかです。そうすれば個人旅行者は助かるのは、私の個人的な経験からいっても明らかです。
 さらに、小さな宿や観光施設がこれまで直面、経験したトラブルの実例と解決策を共有できる仕組みがあれば、観光業者はとても助かり、外国人観光客の満足度も上がるかと思います。  これらは、いずれも大きな公共投資は必要ないのであり、一定の効果は必ず期待できます。石川県では今年ビジュアルな観光パンフレットを作成するということですが、 それも大事だとは思いますが、地道な施策を着実に積み重ねていくことにみんなで知恵と工夫を出し合ってみればと思います。
 話しは少し変わりますが、国の観光立国推進基本計画の中には、都市景観の向上策として無電柱化の推進や、外国人にもわかりやすい県境整備などがうたわれています。 本当に、観光庁が観光政策の司令塔役を担うつもりなら、観光庁自身が積極的に国土交通省などの関係機関と連携した整備方針を打ち出し地方での補助率などを 手厚くすることにもっと努力してもらいたいものです。そして地方の行政からもそのことを観光庁に積極的に働きかけをすべきです。

 さて、昨今の経済危機が影響をして、最近は観光や出張で日本を訪れる外国人は減っているそうです。
 訪日客を増やすために有望なのは、何といっても中国であるといわれます。
 日本からの海外渡航者1700万人に比べ、なんと年間4,000万人が中国から海外へ渡っており、最近は訪日ビザの規制緩和の効果により、 団体だけでなく、一定の条件さえ満たせば少人数の家族でも日本に旅行ができるようになったのです。
 そして、富裕層を中心に訪日客はほぼ一貫して増え続けており、今年4月には過去最高を記録しています。
 今後も規制緩和の促進など日本側の対応さえもっと進めば、その数はさらに増えそうです。一方、本県と中国の間には現在小松・上海便が週4便就航し、その期待は大きいのですが、 残念ながら最近の状況を見る限り、利用率は年々下がり続け、欠航も頻繁であり、イメージダウンではと感じています。 これからは中国での石川県の観光PRも必要ですし、どうも県は消極的に感じるのですが、アウトバウンド、インバウンド共に利用率を上げることに真剣に取り組んでいくべきです。 さらに、本県では江蘇省と永年にわたり友好省県として経済及び人的交流が盛んであるのですが、金沢市においても蘇州市と姉妹都市を結び交流してきた歴史があり、 隣県富山県においても現在大連や上海との定期便が開設されています。 また、福井県では浙江省と友好関係にあり、かつて上海便就航にむけて連携を共にしたこともありました。 こんな恵まれた環境をいかに有効に利用するかが重要なカギであると思いますが、いつかそのことが功を奏し中国から観光客が沢山石川県におこしになることを期待したいと思います。

(H21.9.20)