■No.137   H21.6.15発


 およそ人はこの世に生まれた以上、誰もが安心して学び成長し、そして豊かな人生を送ることが共通の願いであり、本人はもちろん親兄弟も期待していると思います。 そしてすべての子供たちにとって、この普通のことが実現可能となる社会を作り上げていく必要があり、政治、教育に関わる者、さらに社会全体の責任です。 また、昨年、国は、発達障害情報センターを開設したのですが、その情報は一般には極めてわかりにくいものであると聞きます。 一番重要なことは国が、保健センターの健診において早期発見、早期療育そして幼稚園、保育所からの就学、学校教育からの就労へとつなげるシステム構築のためのバックアップとなるものを 具体的に作り上げることです。
 一方、石川県では、今年度、金沢産業技術専門校において発達障害者を対象とした訓練コースを新設するのですが、これは評価されるところであり、たぶん保護者の皆さんの期待もとても大きいと思います。
 全国では2005年より発達障害支援法の施行にあわせ発達障害支援センターが設置され、石川県でも専門家による診断がなされる窓口としての役割を果たしているのですが、 多くの場合、学習障害の子どもは、小学校5年生頃から学習についていけなくなり、それが苦痛となり、そのまま不登校につながるケースが多いと聞きます。
 したがって学校教育の中で障害のある子供たちのニーズに合った教育を行うことが保護者の方々の安心にもつながり、一番大切なことであると考えるのは当然です。
 しかし、私立学校のそれについては、いささか心配になります。私学においてはなんとなく親は特別支援を学校側にお願いするかどうかは慎重にならざるを得なくなっているのですが、 残念ながら学校側も積極的に発達障害のことを勉強しているところは少ないようです。
 確かに、ここ数年は特別支援教育の体制整備が進んできていることは、保護者を始め多くの関係者も実感しているところですが、急ピッチでの整備が進んだだけに、 反面中身が追いつかないといった現状も気になり、検証と補充を急がなければならないという意見が大勢です。教師においても発達障害に対しての必要な視点や資質が、 忙しすぎる現場ではなかなか養われていないのも事実だろうと思います。しかし、公私を問わず学校における発達障害の早期発見と特別支援教育支援員の活用など、 本当に実のある支援体制を作り上げていくことが必要だと考えます。
 今年度から、国では県に対して健康福祉部と教育委員会合同の連絡協議会の設置を求めていますが、いずれにしろ、一般社会における発達障害についてのまだまだ認識は薄く、 そして誤解も多く、これからは偏見の広がりを防ぐ啓発が今後一層必要となってくると考えます。まさに広く社会全体で取り組むべき課題です。
 さて、改正教育基本法に基づき、石川県でも教育振興基本計画を定めるのですが、もちろんこれで教育の現場がすぐに変わるとは思いません。
 しかし、その理念に沿って、教育委員会や教師のあり方などを見直すことはもちろん、各分野において具体的な改革が必要です。幸いにも国の今回の改正教育基本法では 新たに病気や障害のある子供たちが十分な教育を受けられるよう必要な支援を講じなければならないとはっきりと謳われました。
 石川県でも特別支援教育について、この法改正の趣旨に基づき教育振興基本画の中で明確に位置づけられるべきであり、少しでも早く教育関係者の真剣な取り組みが始まる事を期待したいと思います。


(H21.6.15)