■No.135   H21.5.10発


 昨秋からの突然と思われた米国発の金融危機以来、世の中は何となく憂鬱です。そして、最近、よく企業の皆さんの苦労を見聞きするのですが、その解決には根本的に、 まず金融機関の融資姿勢そのものを改善することが何よりも肝要であると思います。特に従来から中小企業の「駆け込み寺」とも言われてきたいわゆる「セーフティネット保証制度」が本来の役割を発揮するよう、 運用改善が求められるべきです。
 先月ある新聞で読みましたが、年度末を控え中小企業の資金繰りが正念場を迎えている中、金融庁では「貸し渋り」「貸しはがし」がないのか金融機関の集中検査をするとの発表をしていました。 しかし、県内でも実際にあちこちから金融機関や信用保証協会に対する不満の声を数多く聞くのであり、世の中が縮んでいる時に一緒になって縮んでいたのでは前向きな話しどころか企業を救済できるわけがありません。
 さて、本当に石川県では「貸し渋り」や「貸しはがし」などが著しく多い金融機関はないのでしょうか。そうではないと思います。
 今回の「セーフティネット保障制度」はリスクをほとんど受けずに貸し出し量が延ばせるため、金融機関では、積極的にこれに取り組んでいるようであり、 聞くところによるとその実績もすでに全国で7兆円を上回っているとのことです。

 一方、石川県信用保証協会については、大変残念ながら、いささか危機感が不足しているのではと考えます。大体その会長も専務理事も県のOB、いわゆる「天下り」「渡り」であり、苦労している方々 の気持ちをわかるはずがないと思います。これでは昨秋からの厳しい状況に本当に応えることができた保証状況になっているのか疑問でありますし、今回の金融危機に際し、県が金融機関や信用保証協会に対し 具体的にどのような内容で要請を行なってきたのかも不満を感じます。
 1つ例え話をすると、昨年10月末、信用保証協会の「セーフティネット保証制度」の対象が不動産関連の全ての業種にも拡大されたのですが、それでも不動産業は対象外であるとして 保証を断わられたケースがいくつもあったそうであります。これは正確な情報の周知徹底が隅々までできていない証拠であります。
 しかし、金融機関にも問題がないわけでありません。セーフティネット保証を新規に申し込むと、まず既存融資分が真っ先に保証枠に充当されて、 結局新規融資はわずかになったというケースも多くあると聞きます。これでは、折角の保証制度が金融機関の従来の債権担保のために利用されてしまい、 金融円滑化を通じて新規事業を支援するという制度本来の趣旨が損なわれてしまっていることになります。いずれにしても、どうもお役所のやることは「遅い」「知らない」「時間がかかる」 「苦労を感じていない」「人事のよう」と街の中小企業者の方々が言っていることに間違いはないと思えます。
 どうぞしっかりして下さい。


(H21.5.10)