■No.73   H18.3.10発


 ずいぶん以前から日本では、特に中・高校生の不登校生徒が増えており、東京・大阪など大都会のみならず石川県でも同じような状況にあると聞きます。
 本人の苦しみ、悲しみは勿論のこと、親、家族、関係者の不安、苦悩など、その心痛は計り知れないものがあると思いますが、一方で不登校が引きこもりやニートに移行していく 可能性もあることを認識し、行政と教育関係者がその打開策にしっかり取り組んでいく必要があります。
 谷本知事にも日頃きめ細かな行政を政治スタンスとしているのですから、昨今の際立ったこの社会現象を肌に感じていただき、手を差し伸べる行政を4期目の任期に向かって推進してほしいと 思います。
 さて、ご承知の通り、不登校とは年間30日以上欠席した児童生徒を指すのですが、その数は驚くなかれ、全国で約12万人にものぼり、 この10年間に実に1.5倍以上になっていると言われています。調べて見ると、本県においては過去5年間で毎年、小学生では約200人が、また中学生では800人以上が、 さらに最近、調査を始めた高校生にあっては300人近い生徒達が不登校とされています。
 また、引きこもりは全国で41万世帯、さらにニートは全国で約85万人(未確認数値)とも言われていますが、世界一の勤勉さを誇った日本人を一体何がこうさせたのでしょうか 考えさせられるところです。
 その対策について文部科学省では、学校現場でそのカウンセリングを行うために、臨床心理士などスクールカウンセラーを本年度までに、 中学校すべてに配置しようとしているようですが、残念ながら石川県では、中学校103校中38校、高校も51校中2校という全国と比べると大きく遅れている現在の状況です。
 また、スクールカウンセラーを補完するカウンセラー教員も、当然全ての学校に配置されるのが理想だと思います。もし、それが出来ないなら多くの教員の退職者の中には子供たちに 真正面からぶつかっていく、かつてのいわゆる熱血漢先生が沢山いらっしゃるはずです。高齢化時代でもあり、ぜひこのような経験豊かな人材を非常勤講師として採用し、 不登校対策にあたる役割を期待することも一つのアイディアではないでしょうか。
 また、子供たちが一日も早く社会への適応力を身につけ、学校に復帰するための受け皿として、県内では、不登校の児童生徒が学校復帰を目指す県立の適応指導教室が現在六ヶ所設置され、 約28人が頑張っていると聞きます。
 さらに、市・町立にも同じような教室が九ヶ所あるのですが、これら適応指導教室から子供たちが復帰するための取り組みを県は真剣に行うべきであり、 さらに市町立施設との支援連携も絶対に考えるべきです。
 さて、現在、文部科学省では義務教育の就学先を学校に限定している現行制度を見直し、フリースクールなどで学んだ場合でも一定の条件を満たせば、 就学義務を履行したものとみなそうという検討がなされていると聞きますが、全国には不登校生徒専門の中学校に公立の廃校舎を利用する例などがあるなど、 官民連携による不登校問題解決の取り組みがこれから可能になってくると思います。
 また、県内には不登校などの理由で学校に進学できなかった子供や、高校生活に挫折した子供たちを受け入れる高等過程が設置された学校法人が2校ありますが、 これらとの連携や加えて将来の目標を見出し、大学や専門学校進学にも希望を持って巣立っていく子供たちをサポートしていく取り組みが必要です。
 いずれにしろ大変難しい問題でありますが、子供がいてもいなくても全ての大人達が、つまり社会全体で考えなければ、このままいくと日本の国がだめになってしまいそうです。 そうなってからでは遅い、今こそ皆で真剣に議論をしなければいけないのではないでしょうか。


(H18.3.10)