2011年9月議会
少子化・子育て対策
質問
 今の少子化の状況をどのように感じ、少子化対策についてどう考えているか。

谷本知事
 少子化の進行は、社会や地域経済、地域の持続可能性を揺るがすもの。少しでも歯どめをかけ、 安心して子供を産み育てることができる環境、若者の結婚や出産に対する希望がかなえられる社会の実現が大切。

質問
 石川県の合計特殊出生率の推移について聞きたい。

木下健康福祉部長
 平成22年の数値は1.40。過去最低の平成17年度からやや回復傾向にあるが依然として低い水準。  ここ2年間1万人を割り、平成22年度の出生数は9,602人と厳しい状況。

質問
 教育費の負担が軽くなれば出生率が0.17ポイント上昇するという試算があり、2人目、3人目の子供をあきらめるという要因になっている。教育にお金がかかり過ぎることが少子化を助長しているといわれるが。

竹中教育長
 世論調査などから子供の教育への負担が大きいことが少子化の要因の一つになっていることは承知しているが、 さまざまな要因が重なり合って生じているものと考えている。

質問
 教育委員会の少子化対策に対する役割は。

竹中教育長
 学校教育あるいは生涯学習、文化、スポーツの振興の分野で教育行政を一体的に推進するということ。少子化対策という視点で見れば、学校教育では子供の成長段階に応じて命の大切さ、 子供を産み育てることの意義、喜びや親になることの責任についての学習の推進、奨学金事業による進学支援、家庭教育に関する情報や学習機会の提供、相談体制の充実などの家庭教育への支援。

質問
 「子ども手当」のどたばたは子供を育てる親の不安を増大させている。

谷本知事
 社会全体で子育てを支援をしていくのが趣旨であったが、わずか半年での見直しは子育て家庭に大きな不安を与えているのは間違いのない。

質問
 高校の無償化についても継続性が疑わしい。女性の就労支援や医療費の支援のほうがよほど即効性があるのでは。

谷本知事
 高校授業料無償化を国がやめれば、いまさら条例の改正はできず地方に全ての負担がかかる。 子育てについては、様々な経済的な支援もあり、ワーク・ライフ・バランスを実現するための国の法制度。 母子保健事業、子育て支援事業では県として市町村の事業をいろんな面で支援。

質問
 いしかわエンゼルプラン2010により5年間の子育て支援計画が動き出したが、これで支援は十分か。

木下健康福祉部長
 基本的な視点は、次の子を産み育てたくなる環境をつくること、子供の心身の育ちを保障すること、 未婚化、晩婚化の流れを変えるという3点。プランに基づく施策を着実に進めると同時に、 今後の子育て環境の変化に応じさまざまな事業の見直しや新たな事業を展開する。

質問
 プレミアム・パスポートでは幾らかかって、どんな成果が上がったのか。

木下健康福祉部長
 これまで平均で年間約1,600万円余りを充てている。事業と出生率の因果関係を検証するのは困難だが、 事業がスタートした平成18年以降、第3子以上の出生数では増加傾向を示している。加入者の皆さんからは産んでよかったと好評。

質問
 エンゼルプランでは2015年度に合計特殊出生率を1.50を目指すというようなくだりがあるが勝算は。 目標に向かって果敢に攻めていくことが子育て支援先進県の証しになる。

木下健康福祉部長
 出生率の低下に歯どめをかけるには、安心して子供を産み育てることができる環境の整備が大切であり、 2015年に掲げた出生率1.50という目標が達成できればいい。

質問
 国では家庭的、経済的問題に悩んで出産に不安を感じる女性への支援体制が拡充され、少子化対策にもなっている。 災害時においても安全でかつ安心して妊娠、出産ができ母親と胎児の命が守られることは当然のことであり、 生命尊重教育の実践や胎児の段階からの子育て支援を始めることについてどのように思うか。

谷本知事
 安心して妊娠し出産ができるよう支援をするということは大事な課題。周産期・小児医療体制の充実こそが行うべき事業の中核。

質問
 多くの若いお母さんたちから子供の医療費がかかり過ぎて困っている。県では責任を望まないような発言もあったが、 いつまでも国のこの制度が進まないならば、県がまず市町にこたえ、その上で国に対して制度確立など、さまざまな要望もしていくことが役割。

木下健康福祉部長
 過去の長い歴史の中で制度を設計し拡充してきた。市町村において住民の意見、 子育て中の方々の意見を伺いながら制度設計していくのが地方分権の中ではいい形。

質問
 なぜ全国で医療費の軽減化が広がっているのか

木下健康福祉部長
 実施主体である市町が政策判断で独自に対象年齢の拡大を進めている。 市町レベルでの支給対象者の範囲等については全国平均を上回る状況。

質問
 対象年齢や給付方式で県内市町の中にはばらつきがあり、県の指導力を問う声がある。

谷本知事
 市町村がそれぞれの地域の実情に合った形でどんどん独自の施策を打ち出していくのは、分権改革の視点の上では時宜を得た対応。 子育て支援も社会保障と税の一体改革の対象テーマとして取り上げるとことになったので、国のほうでも議論していただきたい。知事会等を通じて国に申し上げていく。

質問
 全国の医療費助成事業の取り組み状況では、本県の年間約3億9,000万という金額は下から2番目の数字。 医療費助成を惜しむのでは本当に子供を大切にすることや子育て支援、少子化対策にはならない。

谷本知事
 少子化対策には多面的な取り組みが求められ、小児医療対策も大事な視点。経済的の負担の軽減、 現金給付はまさに子ども手当に象徴されるように国がやるべき施策。

質問
 石川県議会には2月と6月に現物給付方式を要望する請願が出され、可決。特に6月議会は全会一致であったが、その重みをどう考えるか。

谷本知事
 請願の採択は、率直に受けとめなければいけない。

質問
 福祉行政にかかわる職員に求められるのは、県民の苦しみに対する想像力、いわば数字だけを見て現状を見ないのではいけない。 現物給付にしてほしいという県民の声をなぜ無視し続けるのか。

木下健康福祉部長
 現物給付の導入に言及する市町はあるが、医療費の負担増など財政的な問題もあり、受益と負担の公平性という観点から慎重な意見も多い。

質問
 石川県乳幼児医療費助成事業補助金交付要綱には県は乳幼児にかかる医療費の一部を給付することにより疾病の早期発見と治療を促進し、 乳幼児の保健の向上と福祉の増進を図ると明記。窓口負担を気にして病院、医院に行くことをためらう人が大変多い。

木下健康福祉部長
 月1,000円を限度とする自己負担、窓口において一たん負担していただく償還払い方式は受益者の制度の趣旨を理解していただく上で必要。

質問
 現物給付方式にすると市町の負担もふえるが、能美市や金沢市からは県への意見や要望、 そして住民の切実な声が意見書として出され可決をされており、補助金交付要綱の改正を知事に求めている。

木下健康福祉部長
 国において子ども・子育て新システムに関する検討が行われている。 子供、子育て関連の財源を市町村への一元化や地域の実情に応じて給付設計を行うことが基本的な方向性として掲げられている。

質問
 現物給付にすると国保への国庫補助金、減額されるが理由は、同じように県も市町に厳しい対応、補助対象としないと言っているが。

木下健康福祉部長
 医療保険において一般的に窓口負担を軽減すると受診の機会がふえ医療費が増加する。医療費の増加については、 当該市町村が負担すべきものと考え、国庫の公平な分担という観点から国庫負担金を減額する調整措置をとっている。

質問
 給付のアンケートでは県民、全国の9割が望んでいる。知事は以前から子育て先進県を目指すと言っているが気持ちには変わりはないか。

谷本知事
 子育て先進県を目指すというのはいささかも変わりはない。